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2012年2月7日火曜日

ギリシアは深刻な道を歩んでいる

今日もユーロは101円近くまで回復して、ギリシアに対して楽観的な見通しが支配的な様相である。
ダウも日経もほとんど下げず、見方によっては非常に強い相場と言える。買い手は楽しい毎日を送っているに違いない。

最近は、売りのポジションを持っていることで肩身が狭い。オオカミが来ると10回くらい言ってみたものの、何も起こらないときの少年の心境だ。
私のポジションでいえば、2月限7750円のプット買は紙くずになるだろう。負け惜しみではないが、これはこれで問題ない。リスクマネジメントとして成功しているから。
オプションの買いで儲けることは難しいのだけれども、私の投資スタンスである確率を用いる方法ではオプションの買いほど的確にリスクマネジメントができる商品は、実はない。
後日、詳しく書くことにするが、確実に損切のできる商品がオプション買いだからである。2月限の先物を売るよりも損が非常に小さくなっている。購入価格は10円で損が限定されている。購入時に損が限定されているのは非常に大きい。

今日は、そのネタではなく、売り手としてギリシアについて書いてみたい。
市場はギリシア合意を織り込み済みなので、私はごく少数派なのかもしれないが、ギリシアに対して明るい将来が何一つ見えない。よって買いは避けているわけであるが。

ギリシアはユーロを導入しているため、デフレを通り越してスタグフレーションになっていると思われる。自国に産業がなく、緊縮財政の中で個人の収入は減っていく一方で、ユーロに所属し、ユーロ基準の物価はそのままである。ドイツやフランスの好景気に影響され、さらにインフレに向かう可能性も高い。仮にギリシアの生産者がギリシアで物を製造した場合、ギリシアでは売らずギリシア外で売ることになるだろう。一方で、ギリシアは消費が落ち込むので物が流れてこない。流れてきても高いままという状態に陥る(すでに消費は非常に落ちていると思う)。
この状態では、どれだけ債務を減免しても、残債を返済できないばかりか、国家が崩壊する。
今は支援で乗り切れても、その後の債務返済において行き詰まりが生じるだろう。
スタグフレーションは、デフレよりも深刻な状態であることは言うまでもない。

ギリシア国民の心境は欧州の奴隷になっているというものだろう。確かに借金をしたのはギリシアであるが。今のギリシアの状態では極めて有効な自国通貨切り下げなどの政策はとれず、強い通貨ユーロで債務を弁済するために、ギリシア国民はユーロの奴隷にならなければならない。給与も税金も何もかもユーロの方針に従うということ。スタグフレーションで税収は落ち込む一方で、債務の弁済に行き詰まり、更に緊縮財政によってねん出を余儀なくされる。
加えて、共同債もできない状況では、今後、ギリシアは国債によるファイナンスも難しくなるだろう。よって将来に渡り、自由を相当程度拘束される。どこまでこの状態に我慢できるだろうか。
ギリシア国民はおそらく、奴隷になんてなりたくないと考えているだろう。ドラクマを用いれば、債務問題は通貨切り下げによって解決される。後は、韓国やアルゼンチンが辿ったIMFによる支援・監視によって立て直せばいいのである。ギリシア国民はごく近い将来これを望むだろう。
この選択肢は、ユーロにとどまるよりもギリシアの状態を悪くするという論説があるが、これは誤りであると強く思う。ギリシアはユーロを離れ、IMFの管理のもと再建すれば比較的早く立ち直ることができる。
それができないのは、別の理由、つまり欧州や米国の銀行がギリシア国債に絡むCDS売りを行っていることに由来するのだろう。デフォルトによりCDSの売り手は莫大な損失を被り、金融危機が再燃する。ソロスが言うようにリーマンショックよりも深刻なのである。ギリシア国民の幸せではなく、金融機関を防衛するために上のようなユーロに残った方が幸せという話になる。

EUは、ギリシアに緊縮ばかり求めず、ギリシア国民が納得する形で話をすすめなければならない。暴動が起こっているようだが、ギリシア国民が蜂起したときにパンドラの箱は開かれると思う。

乱文。


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